水平式振動コンベアとは

標準型エア振動コンベア

 Q1、水平式振動コンベアはどうしてワークが進のか?
 このコンベアはワークに慣性力を与えて搬送する「慣性の法則」を利用しています。紙の上に十円玉を置き、前後にスピード差をつけて動かすと進みます。動かすスピードが速ければ紙と十円玉が滑りやすく、遅ければ滑りません。これを繰り返すと一方向だけに搬送することができます。
 Q2、どのようなワークに適しているか?
 上下運動が全くなく水平運動だけで搬送するのでワークに対して優しく静かに運べます。軽い物、反対に重いもの、変形しやすいものに最適です。食品関係では(冷凍コロッケ、冷凍チキン、にんにくスライス、かつおの削り節、ふりかけ、スナック菓子など多くの実績があります)薬品関係では(粉薬、錠剤など)工業用関係では(プレス部品の搬送、もしくは廃材搬送)
 Q3、供給エアの質はどの程度必要か?
 供給圧力は0.2~0.5MPaの範囲で使用して下さい。ドレンの含まない一般的なエアであれば差し支えありません。但し供給前に弊社のフィルタエレメントはご使用下さい。ルブリケータによる給油は必要ありません。
 Q4、搬送スピードは変えられるか?
 ワークの形状にもよりますが、平均50㎜/秒です。ヘッド側サイクル調整弁を全開、ロッド側サイクル調整弁を、全開から少しずつ閉めて行くことにより行き帰りのスピード変化で搬送スピードを調整できます。
 Q5、水洗い清掃は可能か?
 トラフは通常、ステンレスで製作します。内部に水を流しても漏れることがなく水洗いが可能です。駆動部も電気を使用していないので多少の水がかかっても問題ありません。
 Q6、取り付け(据え付け)方法はどうすればよいか?
 トラフが水平方向に振動するので、その反力に耐えるだけの取り付け架台が必要です。架台の重量は使用荷重(トラフ荷重+ワーク荷重)の約10倍以上必要です。それ以下の場合は架台全体が動く場合があり、そのような場合はアンカーボルトで床面に固定して下さい。
 Q7、水平式振動コンベアの他社との比較について?
 他社にカム方式、リニアモーター方式などがありますが、カム方式は振動作動端(エンド)が存在するのでカタカタと音が鳴り、リニアモーター方式は大変高価です。これに比べてエア振動コンベアはエア振動シリンダを駆動源とするので、エンドの当たりが無く静かに作動し、しかも安価です。
 Q8、エア振動コンベアの型番の選定方法は?
 搬送したいワークは何か?(かさ比重)、搬送能力はいくらか?(単位時間の重量、容量)、トラフの大きさ(幅×長さ×深さ㎜)、トラフの材質(通常はSUS304を使用)、搬送中トラフに乗るワークの最大総重量より選定します。
 Q9、定期的な部品交換と日常的な点検方法?
 エア供給フィルタ1個及びサイレンサ2個(バイブレータの場合は1個)は半年毎に交換をお勧めします。同一圧力で振動が弱くなったと感じた時は、まずサイレンサを取り外して変化確認して下さい。次にエア供給フィルタも目詰りがないか確認して下さい。エア振動コンベアの場合、エアを供給しないで手で動かしてスムーズに動くか確認して下さい。引っかかりや動きが重い場合、リニアガイドのグリス切れ、異物噛み込み、シリンダとの芯ズレなどが考えられます。