袋詰ロボットとは

概要
袋ケースに積まれた袋を自動的に取り出し、袋を開き、ジョウゴを介し、袋へ品物を入れ、熱シールを施し、排出するまでの自動機を「袋詰めロボット」と読んでいますが、入れるものの大きさ、形状、入れ方、出来映えなど、色々な要求に対して最適な方式があり、それぞれ得意、不得意があるので、それを見極めることが重要だと思います。当社の包装機(袋詰ロボット)は「給袋方式」で、市販の最初から底シールを施した袋を使用する方式で改良、改善、機能アップさせながら現在でもこの方式を採用しております。袋の設置枚数は袋を積んだ状態で平行であれば問題有りません。(約100~300枚)

給袋方式での不得意な仕様
・1個包装でタイトに袋へ入れる必要がある場合(シュリンク包装機、横ピロー包装機が有利です)
・連続で長時間無人運転が必要な場合(3方シール包装機が有利です)
・同じものを大量生産する場合(3方シール包装機、ロータリー包装機が有利です)
・給袋方式でスピード重視(毎分20袋以上の場合はロータリー式包装機が有利です)

給袋方式で得意な仕様(オプション対応を含んでおります)
ワーク投入ジョウゴから落差が少なくデリケートな部品や粉体などの舞い上がりが少ない。
・基本的には仕様に対して最適な設計をしますので、高さ制約がある場合など、変更が可能です。
・当社の袋詰ロボットも袋の取り出し、開口、袋の保持方法など仕様に最適な方法を選択できます。
・組み立て機、計量機、計数機などとの連動の場合、毎分4~10袋程度の包装作業です。
・低床で投入口(ジョウゴ)上流側の機械との取り合いが良好です。
・1袋で3㎏(粒の小さなものでは5㎏程度)まで爪ロック+ジョウゴロック+重量受けで分担して対応が可能です。
・少量多品種で頻繁に袋の幅や長さの変更がある場合(取り替え作業に約5分)
・印刷された袋で同様に袋の取り替えが多い場合
・2ステーション方式(NSR2型)では袋の開口部に10㎜幅の熱シールが可能です。
(標準は開口部より16㎜の位置に1.6㎜幅のシールを施します。
・2ステーション方式では開口袋の底部、両側に空間があるので嵩減らし機構などの取り付けも可能
・2ステーション方式では両側からスポンジを用いて袋中の余分な空気を抜くことが可能です。
・爪ロック方式では袋開口後、次工程へ移るまでの間はエアーの消費が少ない(省エネ)
・袋厚みが100μを超えるような絵袋でも両側からシールを行うので綺麗な仕上がり。

仕様の打ち合わせに必要な項目
・袋の大きさ(袋幅×袋長さ)
・袋の材質と厚み(熱シールが出来て、空気透過が無い材質であれば可能です)
・被包装品の形状や1袋当たりの重量
・包装機の上流側の機構(分散フィーダ、シャッター機構が必要か判断するため)
・毎分当たりのご希望能力(相手側の機械との兼ね合いで遅い方+投入時間)が実際の生産能力となります。
・熱シール、完成品の排出方法(ベルトコンベアを用いてピッチ送りやコンテナへ直接排出)

弊社の袋詰ロボットに対する考え方
・ユーザーさんにより、安全対策の考え方や安定度、要求精度など、大きく違うので、仕様の打ち合わ
せ時には細心の注意をしたいと思います。もちろん完全に近いものを追求するとコストアップにつな
がり、絶対に必要なもの、取り付ければ便利なもの、不必要なものを打ち合わせさせて頂きます。

標準で搭載している対策
・タッチパネルを搭載し、各、熱シール時間、冷却時間、出来高表示、目標数量で自動停止、異常時の内容表示など操作性に優れています。
・熱シールは電気的にリレーを介して時間で制御してますが、シール時間の設定を長めに間違えると
(袋の厚みが変わらない限り変更の必要はありませんが)ニクロム線断線もしくは火災も原因とな
りますので通常の時間より2割程度長い時間設定が出来ないようにし、タッチパネルで表示さ
せます。次にリレーも寿命があり、最悪の場合、接点固着で火災の原因を防止するため故障検知
機構を搭載しております。
・袋を逆さまに置き3回連続開口不良発生、袋が無くなった場合もメッセージ表示させます。

オプションの説明
・袋の2枚取り検知機構=特に冬場、薄い袋で2枚くっついて開口エリアでのトラブルを防ぐ為にセンサーで確実に1枚か?確認して次の工程へ進みます。2枚と検知した場合は、吸着を解放し、新たな袋を取り出します。連続3回発生の場合はメッセージ表示させます。静電気の影響が酷い場合は静電気除去器を取り付けします。(一般的な袋で40ミクロン以上ではほとんど必要ありません)
・シグナルタワー設置=自動運転(緑)異常発生(赤)で動作状況を知らせます。
・多枚数袋ケース仕様=袋の厚み、折り返し具合にもよりますが100~250枚程度は一度に設置できます。より多く設置したい場合は袋ケースを2連、3連にして対応することが可能です。
・安全カバーの設置=打ち合わせにより決定致します。
・非常ボタンの設置=押すとプログラムで次工程で待機が費用は安くできます。より安全性を求める場
合は空気圧を強制的に解放する仕様も可能です。
・サーマル印字機搭載=標準機には搭載出来ませんが、印字専用エリアを設けることによりバーコードや製造年月日など袋へダイレクトに印字が可能です。

設計費用について
・過去に近い実績のあるものについては不要です。一からの設計や事前テストが必要な場合は別途見積をさせていただきます。

保証期間について
・消耗品(ニクロム線、テフロンテープ)を除き1年間(1日8時間稼働×250日)とさせて頂きます。部品の供給期間は7年です。2年に1度は清掃点検をお勧めします。保証期間終了後は作業費用と交通費用は実費請求で対応させて頂きます。

トラブルの傾向について
・1号機から約30年間、問題点の改良を加えており、安定していると自負しております。現在は無給油式へ変更しています。
工場での供給エアーは0.5Mpa以上確保
して頂き、ドレン対策だけ注意をお願いします。シリンダー径φ10~φ25を多用しており、ドレン
(圧縮空気に含まれる水分量)影響は大きいと思います。(もちろんFRユニットは標準装備です)

日常の管理方法
・駆動部の大部分はエアーシリンダで作動しており、給油などの必要は一切ありません。
・メタル吸着ヘッドの定期的な掃除(作業環境によりますが1~6ヶ月毎)袋の取り出し、開口不良が多くなった時はほとんどの場合は掃除で解決します。
・テフロンテープの貼り替え(3~6ヶ月毎)シール面が汚くなった時
・ヒーター線の交換(6~12ヶ月)シール不良の場合、メッセージパネルに表示された場合
・排気フィルターの掃除(3~6ヶ月毎)所定の真空圧力まで上がらない場合
・納入時に十分に説明させて頂きます。上記の管理と寿命部品の交換で現在でも15~20年前の
包装機が順調に稼働しております。総合的に見ましてもモーター駆動でカムなどで力を伝達す
る機械より、遥かにエアシリンダ駆動の方が耐久性に関しては優れております。